監護者って?                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                「監護者」という言葉を聞いたことのある方もいるかもしれません。これは、先ほど述べた親権の「身上監護権」だけを持っている場合のことをいいます。離婚がすぐにはできない実際などに、「双方痛み分け」にする場合に使う言葉です。法律用語ではありますが、実際には監護者と親権者を分ける……つまり育児の役割分担をして、子どもを育てようとする場合に使います。ただし、監護者という役割は、ごく例外的だと考えてください。日常生活でも決して少なくありません。思うほど簡単ではありません                    
                                                                                                                                 親権の法律的な内容                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                未成年の子どもを育てる権利である親権には、二つの側面があります。①子どもを養育し、しつけ、監護する権利・義務です。これは「身上監護権」と呼ばれます。②子どもの法的行為を代理で行い、財産を管理する権利・義務です。こちらは「財産管理権」といいます。身上監護権は、言ってみれば日常的な育てをする権利で、イメージしやすいと思います。そこで財産管理権について、もう少しくわしく話をします。                    
                                                                                                                                 親権をとるには                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                離婚をめぐってさまざまな問題となるのが、子どものことです。特に、親権をどちらが持つのかは、人生を左右するほど重要な問題になります。子どもの持ち主、特権、権利がかかわることだからです。問題は、離婚後に未成年の子どもを持つ場合には、親権をどちらか一方が持たなければならないと法律で定められていることです。夫婦の双方が親権を持つ、いわゆる「共同親権」は、離婚後には認められていません。親権というのは、親が子どもを育て、しつけ、教育する権利と義務のことです。日本では、離婚するまでは、共同親権といって、夫と妻が二人で親権を共有しています。しかし、離婚すると、親権はどちらか一人で持つことになります。共同親権は認められていません。とりあえず離婚だけを行ったり、後から親権を争ったりすることが、どうしてもできないのです。子どもの立場で見れば、「二つの環境になる」からです。たとえば、両親のうちどちらかで、年おきに転校を余儀なくされたり、年おきに家庭の教育方針が変わったら、子どもは混乱してしまうでしょう。ですから、未成年の子どもがいる場合、夫婦どちらか一方が親権者として指定されます。離婚後も両親で子どもを共同で育てることはできません。                    
                                                                                                                                 親族との不仲                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                パートナーの親族との不仲は通常は離婚理由にはなりません。しかし、親族との不和が婚姻を継続し難い重大な事由になると判断された例もあります。                    
                                                                                                                                 性格の不一致                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                性格や価値観の相違は、珍しくありません。しかし、それだけでは離婚原因とは認められませんが、婚姻を継続し難い重大な事由に該当すると判断されるケースもあります。                    
                                                                                                                                 その他婚姻を継続し難い重大な事由                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                これはバラエティーケースで判断して、婚姻関係が破綻していると認められる場合です。これまでの裁判例で継続し難い重大な事由があるとされたのは、暴行、虐待、浪費、犯罪、性的異常、性交拒否などです。具体的な離婚原因にあたらない場合でも、①〜④の回復の見込みがない場合に、離婚が認められています。                    
                                                                                                                                 配偶者が精神病にかかり、回復の見込みがないこと                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                配偶者が重度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合をいいます。必ずしも精神病の診断名がつく必要はありませんが、相当な重度の精神障害と医学的に認められることが必要です。また、精神病の配偶者を介護する義務はありますが、回復の見込みがないときは離婚が認められます。たとえば、夫が精神病にかかり、長期入院しているが回復の見込みがないと判断された場合などです。                    
                                                                                                                                 三年以上の生死不明                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                三年以上の生死不明とは、三年以上にわたり、パートナーが生きているのか死んでいるのか確認できない状態が現在も続いていることをいいます。単に行方不明だけでは足りず、生存不明となった原因の内容や、生存も死亡も証明もできないことが必要です。                    
                                                                                                                                 悪意の遺棄                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                悪意の遺棄とは、法律上の同居義務や扶助義務などを怠ることを意味します。正当な理由がないのに、夫婦が負っている義務を果たさない場合に該当します。例えば、生活費を渡さない、家を出て音信不通になる、病気の配偶者を看病しないなどが含まれます。                    
                                                                                                                                 不貞行為                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                不貞行為とは、結婚してパートナーがいる者が、パートナー以外の者と性的関係を結ぶことを指します。一般的には「浮気や不倫」とよばれていますが、単なる食事や買い物に出かけるだけでは不貞行為にはなりません。不貞行為が離婚原因となるには、探偵事務所などで証拠を集める必要があります。通称で「不貞の証拠」と呼ばれるものには、浮気相手とホテルに出入りしている写真などがあります。                    
                                                                                                                                 五つの離婚原因                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                日本では、夫婦の話し合いで合意できるなら、どの理由の内容に関係なく、離婚することができます。しかし、当事者で合意できない場合や一方が離婚を拒否する場合、裁判所を通して強制的に離婚を認めてもらうには、民法で定められている離婚原因があることが必要です。民法で定められている離婚原因は、次の五つです。①不貞行為②悪意の遺棄③三年以上の生死不明④回復の見込みがない強度の精神病⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由                    
                                                                                                                                 裁判にかかる時間                    
                                                                2025/09/05                    
                                                                調停で話がまとまらず、離婚裁判まで進んだ場合、特に相手が離婚原因を全面的に否定したり、親権で夫婦間の意見が合わない場合には、裁判が長引くことが予想されます。裁判に進んだ場合でも、不服があれば、相手が控訴することができ、さらに他の裁判に訴えることもできるため、二審の判決に不服があれば、さらに上告することもでき、そこまで進むと、さらに時間がかかることになります。なお、裁判に進んだ場合でも、途中で夫婦の双方が和解に応じて決着することもあります。これを和解離婚とよんでいます。